Orange Range / Ram Jam World / 坂本真綾 / トルネード竜巻

Orange RangemusiQ
ミクスチャー、ニューウェーヴ、ファンク、果てにはポストロック風味の曲まで無節操にぶち込んだ、おもちゃ箱みたいなアルバム。表向きの軽薄さとは裏腹に、根底にあるのは確かな楽曲構築力とリスナー気質的な音楽愛。無邪気を装ってるけど、ホントは物凄く計算して作られているはず。極上にファンキーな"男子ing session"や、ノリノリニューウェーヴ"シティボーイ"のような曲こそがこのバンドの本性だと思う。享楽性の塊。シングル曲だけしか聴かないのは勿体無い!
ところで、"シティボーイ"って曲名はPet Shop Boys"New York City Boys"からの連想?違うか。


Ram Jam World『rough and ready』
後のアルバムに比べるとまだクラブミュージック臭が強いというかアングラ気質が残ってる感じ。Ram Jam Worldの代名詞とも言えるドラムンベースポップは、一部ドリルンベースの領域に入っちゃってるし。荒削りな分、破壊力は抜群。がっつりノれる。アルバム後半はレゲエ風味のダウンテンポな曲が多め。こなれた感じのスタイリッシュな作り、でもちょっと捩れてる。


坂本真綾少年アリス
無節操っぷりならレンジにも負けない、ジャンル越境系ごちゃ混ぜポップスアルバム。以前は"スクラップ"や"光あれ"みたいなアッパーな曲をよく聴いてたけど、最近はケルトチックな"KINGFISHER GIRL"やビートルズっぽい"park amsterdam"がお気に入り。両方とも、英語詞なのが効果的だと思う。歌詞の意味がダイレクトに伝わってこない、というメリットを上手に生かしてる。


トルネード竜巻『アラートボックス』
坂本真綾からプロデューサー菅野よう子が離れてしまった今、日本のプログレポップス(「プログレからポップスへの接近」でも「ポップスからプログレにアプローチ」でもなくて、ポップスとプログレが同時発生的に共存してるやつ)を引っ張るのはこのバンド!という感じで個人的に大プッシュ中なトルネード竜巻の1stアルバム。複雑な構造のバンドサウンドを、どうやったらここまで真っ直ぐで爽やかなポップスに仕上げられるのだろうか。天才っていうより奇才。凄い。